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◇舐められている 第19話

Penulis: 設樂理沙
last update Terakhir Diperbarui: 2025-03-18 06:48:57

19

「ごめんね、お待たせ~」

「大丈夫よんっ」

「わっ、美鈴痩せたね~。幸せ細りなんて羨ましい限り」

「そんなこともないけど……」

「何年振り?」

「1年振りになるのかな」

久しぶりに会う絵里の表情は殊の外明るいものだった。

「それにしても暑いよね」

そう言って椅子に座った絵里は私の飲み物に視線を向けると……。

「あっ、私も美鈴と同《おんな》じのにしよう」

そう言うとアイスオーレを注文した。

「絵里、雰囲気変わったね」

「でしょ?」

否定しないんだ。彼とはその後上手くいってるんだ? と訊いてみたい

ところだけど、ひとまず私は堪えた。

「うん、明るくなっていい感じよ」

「去年会った時はかなり落ち込んでたからね。

早速っていうか、あの彼との話の続きなんだけど……」

「何か進展あった?」

「それが……」

そう言うと絵里は息を大きく吸ってゆっくりと吐いた。

「2~3回だったかな、それとなく結婚のことを考えてくれないかな、

みたいな話を持ち出したのは。あぁ、ここまでの話は前回もしてたよね」

「うん、はぐらかされてばかりって聞いてたね」

「彼の態度はどういうところから来てるんだろうってずっと考えてたの。

結婚の話題が出るたびに有耶無耶にする態度……って。

いろいろな理由が絡みあってるんだとしても、一番根っこにあるのは私なら、待たせておけるっていう彼の中にある自信っていうのかな。

それか最悪、彼の結婚適齢期ギリギリまで私を待たせている間にもっと良い

女性が現れたら乗り換えるっていう可能性を潜在的に持っているかもしれないって……いうことなのかな、とか。

まぁあれから、いろいろ分析してみたんだけど」

「……」

「言い方は悪いけど、私の存在なんてその程度で、ある意味舐められてるんだなっていうところに辿り着き……そしたらあんなに彼に対して結婚しようよって思ってた気持ちがス―っと引いていったのよね」

「そうね、話し合いの土俵にも乗ってこないというのは酷いよね。

誠意がないかな」

「それでね、彼に期待するのは止めて婚活でも始めてみようかなんて考えて、真剣にどこかの結婚相談所に申し込みしてみようかといろいろ探してた時に……」

「……」
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